窓に影


「あ、起きた?」

「うん……。悠晴は?」

「終バスだからって帰ったよ」

 ああ、なるほど。

 時計を見ると、もう9時を過ぎていた。

「起こしてくれればよかったのに」

「起きなかったんだろ? チューされといて」

「え? したの?」

「俺じゃねーよ。あいつが」

 わかってるよ。

 そうじゃなくて、歩の前でしたっていうのがちょっと嫌なだけ。

 少しは嫉妬してくれただろうか。

 私は起き上がって、テーブルの前に座った。

 母が持ってきたと思われる、既に空っぽの器。

 私の分なのか、一つのカップだけに中身が入っている。

 歩もテキストを閉じ、テーブルの前に座った。

 何ともいえない微妙な空気が流れる。

「今からいくつか問題を出す」

「は? 世界史?」

「さあな。いいから答えろ」