窓に影


 想定外だった。

 この二人がこんなに仲良くなるなんて。

 そりゃ年も同じだし、どっちも悪いやつじゃないし、必然的にそうなるのかもしれないけど。

 歩と響子さんのラブラブぶりに嫉妬してしまったこのやるせなさを、歩にも感じさせてやろうという野望のもとに悠晴を呼んだのに。

 すっかり放置プレイの私は、今度は二人共に嫉妬をしてしまう始末。

 ふてくされてしまった私は、椅子から立ち上がった。

「あたし、下で勉強する」

 そう言って教科書とプリントを持ち、部屋を出ようとした。

「待って」

 ガシッ!

 二人の声が重なり、二人に左腕を掴まれる。

「おい、人の女に触ってんじゃねーよ」

「俺の生徒だ。お前に指図される覚えはない」

 握られている左手がじわじわ痛む。

 二人とも、強く握りすぎだ。

 スパン スパン

 私は世界史の教科書で彼らの頭をはたいた。