たどり着いたのは、この辺では有名な夜景スポット。
車なんて乗れない高校生にとっては、かなり大人びた場所だ。
車を降りてから展望台までは歩きになる。
若いのにぜえぜえ言いながら階段を上り、意外と広い広場へと出た。
広場の先に見える、満天の星のような夜景。
あまりにキレイで、息を飲んだ。
「わー! すげー!」
息を切らしながらも、まだ元気な悠晴は走り出す。
一応彼女としてそれを追う。
胸まである欄干に寄りかかると、より開放的な風景が広がる。
空を飛んでいるような気分。
足がふわっと軽くなったのは気のせいだろうか。
「きれーい」
思わずため息を漏らすと、後ろから歩たちもやってきた。
感動する私たちを見て、クスクス笑っている。
いつも来ているのだろう。
じわりと嫉妬の感情が心に滲む。



