交流会の話を初めて聞いてから約三週間後。

今日から、交流会が始まる。


「天凪、頑張ろうね」

面倒くさそうに伊織が言う。頑張ろうっていうのは、交流会の間本当の自分を偽らなきゃいけないから。


「そうね」


ここはすでに飛行機の中。

だから私は笑顔で答える。ばれないように。



「あっ…あのっ…、天凪様は…何がお好きなんですか?」

同じグループなった男の子が話しかけてきた。


「そうね……、あっ、紘翔が好きよ」

少し考える素振りをしてから答える。もちろん質問の意味くらいわかってるけど、咲煌寺天凪はそう言う人間だから。