ファンファン♪ファンファン♪


パトカーのサイレンが、夜空に響くようにけたたましく鳴った。


『パトカー?』


女子高生は涙を拭いながら告げた。


『近いな…俺たちを探し回っているんだ』


青年は辺りを見回した。


『逃げよう!!』


女子高生はそう言って青年の手を取った。


『えっ…?』


青年は急に勇ましくなった女子高生に一瞬戸惑った。


『まだ警察に捕まる訳にはいかないわ』


女子高生は青年の手を引っ張り走り出した。


青年は女子高生に引っ張られるように走った。


二人は閉園寸前の遊園地を飛びだし、繁華街を走り抜けた。