冷たい風が颯爽と吹き抜ける大都会。


スクランブル交差点を行き交う人々、ただいつものようにせわしなく…ただいつものように楽しげに…


いつもと何も変わらないままの時間が流れていた。


“生”と“死”


“光”と“影”


いつもと変わらない今でも、目に映らない場所でそれぞれは交差している。


『ママー』


都内のデパートの中で小さな男の子が、母親を捜していた。


小さな男の子は迷子らしく、半泣きになりながら母親を呼んでいた。


『ママー!!』


小さな男の子は必死に叫んだ。


『迷子かい?』


そんな小さな男の子に一人の青年が声をかけた。