死滅島…


150年前に滅びたこの島に冷たい風が通り抜けた。


その風がこの島に冬を運びこみ、日が落ちる頃にはチラチラと白い雪が舞い落ちだした。


『雪…』


修二は雪を舞い落としだした灰色に霞む空を見上げた。


『どおりで冷え込むと思った…。この島に来て、もう3ヶ月あまりも経つのか…ゴホッ、ゴホッ』


修二はそう告げながら咳をした。


『うん?あの洞窟は確か…』


修二は目の前の洞窟に足を運んだ。


『船があるであろう海岸までまだ遠い…少し休もう』


修二は洞窟の中に入り、岩の上に腰を下ろした。