私は単純な生き物かもしれない。 だって傲慢な彼に反抗意識はあるのに、料理一つに一瞬気を許しかけた。 モゴモゴと口の中でハンバーグが溶けていくなか、手を止めた彼をチラッと見上げると、また焦った。 ………笑ってる? うっすらだけど、よく見なきゃ変化を見逃してしまいそうだけど、確かに口が綻んでいる。 そして私は、そんな彼を見て思ってしまった。 気味が悪い………と。 .