混みあっているのか、市哉はなかなか戻って来なかった。 紫は暇を持て余し、背伸びをして市哉の姿を探す。 すると、遠くのほうに、それらしき頭を見つけた。 誰かと話をしているようだ。 歩く人々の合間から、楽しそうに話す市哉の横顔が見える。 (誰と―) 紫は、さらに首を伸ばして、相手を探した。