ボーダーライン


 夜風を切って走る。

 酒で火照っているのもあって気持ちいい。

 アパートの階段を上がると、自然と自分の部屋に目が行った。

 風呂場の明かりがついているようだ。

 鍵を開けて中に入ると、石鹸やらシャンプーやらの匂いがする。

 脱衣所の前を通って部屋にたどり着くと、迷わずベッドにダイブした。

「疲れた……」

 ぐったり。

 体がベッドに沈んでいくような感覚。

 女の子と二人で過ごすのは、恋愛経験がないからかちょっと苦手だ。

 気を使う。

 真紀は別として。

 キュッとシャワーが止まる音がした。

 真紀が出たら俺もシャワーに入ろう。

 そう思っていたら、案の定バスタオル一枚で出てきやがった真紀。

 俺がいないと思って安心してたな。

「あ、いたんだ」

 白々しく着替えを漁る真紀を見て、俺は立ち上がった。

「俺もシャワー入るから、ここで着替えろよ」

「はーい」

 バスタオルと着替えを持って風呂場へ。

 汗で貼りついたTシャツを脱ぎ、パンツ一丁になったところでドアが開いた。

 バスタオル姿の真紀が乱入。

「わっ、なんだよ!」