もし死が永遠の眠りならば
私は永遠の安らぎを得るのだ
私がなくなるなら苦しみも消え去る
しかし
と私はもう一つの可能性を思った
私という意識が死に奪われなければ
私は永遠に生きる
肉体がなくても意識が生きる
それを人は魂と言ったのだろうか
私は死の恐怖がどこからくるか
少し理解した
死は《未知》なのだ
宗教や神話を信じなければ
死は謎に包まれた暗闇だ
科学は死のあと自意識がどうなるか
語らない
それが多分すべての恐怖を
産みだしているような気さえする
死がわからないから
死は怖い
だが静かに考えてみれば
生きる苦しみを恐れるなら
意識の死は苦しんだ者には優しい
もし消え去る恐怖があっても
消え去ったあとは苦しみも消え去る
もし意識が仮に残ったら…
意識が消え去る恐れはなくなる
そうしたら生き続ける苦しみは
死のあとも続くのだろうか?