「筆跡だけで本人とは決めつけられないだろう」
「筆跡だけじゃないわ」
あたしは遺書と万年筆についていた指紋のことを口にした。
「遺書と万年筆からは西本以外の指紋は見つからなかったのよ」
「つまり本人が書いたとしか思えないわけか」
「そういうこと」
たとえ自殺するような性分でなくても、別荘内に不審な点があっても、この事実だけは今のところ覆らない。
つまりこのままだと西本が自殺したということになる。
しかしそれを認めたい人間は司法側にはいない。
「遺書は本物。しかし殺された場合か…」
達郎はしばし考え込んだ後
「こういう風には考えられないか」
右人指し指を立てた。
「訓練によって西本の筆跡を真似ることができた人間がいたとする」
ふむふむ。
「そいつは手袋をした手で西本の万年筆を使って遺書を書く」
その後、西本を毒殺。
「死んだ西本の手を取り遺書と万年筆にペタペタと指紋をつける」
「筆跡だけじゃないわ」
あたしは遺書と万年筆についていた指紋のことを口にした。
「遺書と万年筆からは西本以外の指紋は見つからなかったのよ」
「つまり本人が書いたとしか思えないわけか」
「そういうこと」
たとえ自殺するような性分でなくても、別荘内に不審な点があっても、この事実だけは今のところ覆らない。
つまりこのままだと西本が自殺したということになる。
しかしそれを認めたい人間は司法側にはいない。
「遺書は本物。しかし殺された場合か…」
達郎はしばし考え込んだ後
「こういう風には考えられないか」
右人指し指を立てた。
「訓練によって西本の筆跡を真似ることができた人間がいたとする」
ふむふむ。
「そいつは手袋をした手で西本の万年筆を使って遺書を書く」
その後、西本を毒殺。
「死んだ西本の手を取り遺書と万年筆にペタペタと指紋をつける」