「きっとあの時の俺には恋愛より友情のが必要だったんだ。だから神様は俺にヨッちゃんを与えたんだ」

(お前は迷える子羊か!!いや、迷える猛獣……か)

「じゃなきゃ、今頃俺退学だったかもしんねぇもん……」

「……玉置君。いや、でも、私と再会してなきゃ玉置君はプールで絡まれる事もなかったわけだから──」

「ツベコベ言うな。それヨッちゃんの悪いくせだ。なぁ……ヨッちゃん、この出逢いは、ぜってー運命だ。俺は昨日それを確信した」

玉置が髪と同じぐらいに顔を赤くして真顔で続ける。

「だから、ヨッちゃんが困った時は……今度は俺がヨッちゃんのために走るから。……ほんとにありがとな、ヨッちゃん」

(……どんだけ青春ドラマ?セリフがくさいよ、玉置君)

ドクン、ドクンと良子の胸が高鳴る。