(どうしよッ!どうしよう!ランキング入っちゃった~)

ほんのちょっぴりかすっただけだが、良子の作品タイトルが『急上昇』マークをお尻にくっつけてランキングに並んでいた。

(嬉しい。素直に嬉しい!)

自然とニヤけてしまう顔を意識して引き締めた。

そしてもう一度携帯を見つめる。

(……かけてみようかな)

この気持ちを誰に伝えたいですかと聞かれたら

(って聞かれてないけど)

かけたい人は……。

「かけてみようかなぁ」

(よし……三コールで切ろう。バカだから三コールじゃ出ないだろ)

出ない事を前提にして電話をかけようとするバカバカしさに気が付いて、良子はしばらく携帯をジッと見つめた。

(……でも、やっぱりかけてみたい!)

この時点で着信履歴機能の有無をすっかり忘れている良子である。