「あ、いたいた」

壁沿いを歩きシャワーを適当にかわして、良子はビーちゃんを連れてプールサイドへ出た。

赤や黄や青のカラフルなパラソルの下で、キャップとメガネを装着した玉置が椅子の横にサマーベッドを並べていた。

(……なんか、豪華じゃん)

しばらくプールなんて来てなかったけれど、サマーベッドなんてちょこっと贅沢な感じがする。

いつもとは違う雰囲気に沈んでいた気分もだんだん高揚してくる。

(眩しい……)

目に映る物全てがキラキラして、目を細めてみる景色は全体的に白っぽく爽やかに見えた。

「おにぃちゃぁぁぁ~ん」

ビーちゃんの高い声に玉置が振り向いた。