ソラとうららのすぐ側で、壁に背中を預け様子を見守っていたリオの大きな欠伸をする気配にアオが視線を向ける。


「…リオ、お前寝なくていいのか」

「もう少しして、うーちゃんが起きないようだったら一緒に寝てるよ。レオもなんだかんだで寝てる女の子をムリヤリ起こしたりはしないでしょ」


「今寝ておかないと、学校と違って昼間寝てられないからな。バテても置いていくぞ」

「うぃー…」


リオは返事した側からすでにころんと横になり、その瞼が閉じられる。
リオは明るくないと眠れないことを、アオは知っていた。

ここを出るまでもう少し時間が要りそうだと判断し、周辺の状況を確認をする為外へ行こうとひとり立ち上がった。

静かな朝に自分の足音や物音がやけに響く気がする。
外で小鳥のさえずりは聴こえるものの、それ以外ほとんど音がしない。

車も電車もテレビや携帯の煩い機械音も、どこに行っても騒がしい喧騒もここには無い。

こんな静かな朝はひどくひさしぶりだった。