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ふと、自分に降る視線を感じてうららが瞼を押し上げると、視線の先にやわらかく笑うソラの顔があった。

優しく揺れる瞳に、懐かしさが込み上げる。
透き通るような、青い瞳。

それからソラの手が、ゆっくりうららの頬に触れた。


──ああ、よかった。


顔色も、息も落ち着いている。
その様子にうららは心の底から安堵した。

――わたし、いつの間に眠っていたんだろう…ソラはいつから起きていたんだろう。


 まだぼんやりと霞がかったように、頭が働かない。それでもうららは無意識に口を開いていた。


「………ソラ、もう…平気なの…?」
「うん、もうだいじょうぶ。うららが見つけてくれた、薬のおかげだよ」

「……、ソラ…」


じんわりと広がる温もりに現実味が重なり、うららは堪え切れずに体を起こし、ソラに抱きついた。

その腕の中にすっぽりと収まると、ソラの体温が、鼓動がすぐ傍に感じられて涙が出るくらい嬉しかった。


「ごめん、心配かけて。…ごめんね、うらら」


ソラのやさしい声がもう聞けなくなるかもと…もう二度と名前を呼んでもらえなくなるかもしれないと、それを思うだけでいくらでも涙が溢れた。
胸が千切れそうなくらい、苦しかった。