『一緒なら大丈夫。そこから動き出せる。歩き出せるさ。ボクも行こう。一緒に、行こう。アオ、君の願いを叶えてもらわなくちゃ』

「……彼女を迎えに、行くんだろう…?」


『大丈夫。あと少しくらい、きっと待ってくれる。ボクもずっと、待っていたんだ。待つのも悪いことばかりじゃないんだよ』

「……詭弁だな」


言って緩くわらったアオに、ブリキのきこりはさらに楽しそうに笑った。

その声は自分の胸の内側に染み渡るように消えていき、心臓よりもずっと奥、熱が灯るのを感じた。

甘く淡く、わずかな痛みを伴いながら。