「ラジオ体操第一ぃ!」
軽快な音楽と共に始まる二日目の朝。
生徒たちはダルそうにラジオ体操をする。
この感じ、覚えがある。
私も中高生の頃はそうだった。
張り切って真面目にやれば、
「あいつ、何張り切っちゃってんの? ダサい」
なんて思われるし、あまりにもダルそうにしていると、
「ちゃんとやれ」
と怒られる。
真面目と不真面目。
この二つのバランスで自分のキャラやポジションが決まる、もどかしい感覚。
彼らはきっと、そんなモヤモヤした感覚の中で自分なりのバランスを探っている。
私は講師として真面目に体操をするわけだが、久しぶりにラジオ体操をやって気付いたことが二つある。
一つは自分が運動不足だということ。
身体中の筋肉が伸縮する感覚を懐かしいと感じてしまう。
自分の中で眠っていた何かが目覚めるような、爽快な気分だ。
もう一つはラジオ体操は結構な運動になるということ。
全身をくまなく、しかし無理なく動かすことができている。
血が巡っていく快感。
なるほどこれはよくできた体操だ。
日差しの強い夏の朝に、じんわりと汗をかいた。
……すでにシャワー浴びたいけど。
「合宿二日目です。今日もしっかり頑張りましょう」
朝礼台に立つ南先生の月並みな話を聞き、朝食を頂きに食堂へ。
食事を済ませると運動着から「先生スタイル」の衣類に着替え、軽く化粧直しをする。
さて、あの二人。
今日は駄々をこねずに頑張ってくれるだろうか。