松野の手紙は、女子らしく女の子同士の話のような内容だった。
重森とはうってかわって、本当に国語が苦手なんだろうかというくらい、漢字もしっかり書いてる。
読みながらポロポロ涙を流していたため、
もう手紙の感想すら口に出せない。
俊輔にティッシュを差し出され、それで涙を拭く。
マスカラやアイラインが白いティッシュにうつる。
松野が褒めてくれたメイクが崩れてしまった。
「グスッ。……グスッ」
静かに感涙する私を、俊輔が引き寄せる。
愛しい体温は私の涙腺を余計に弛ませる。
「楽しかったか? 合宿」
私はうまく声を発することができなくて、大きく何度も頷き、また泣く。
先輩ふたりが前の席にいるのに、恋人に甘えるような態勢を改めることができない。
「泣きすぎ」
俊輔がギュッと体を抱き、頭を撫でてくれる。
涙を拭いて彼の顔を見上げると、優しく微笑んで額にキスをくれた。



