戦場に、一輪の花が咲いた

「マオの喋り方、なんだか独特な訛り。」



リリーにそう言われ、ライルは冷や汗をかく。



ライルもウェンディも、一応この国の言葉は喋れるが、発音はやはりトレース出来ていない。



下手に喋り過ぎると、敵国の者だとバレかねないだろう。



「リリー、その訛り好き。お父さんも訛ってたから。」



そんなライルの心情は察されていないのだろう。



リリーは変わらずあどけない笑顔で言い、ライルに近寄った。



咄嗟に背中に隠し持っている銃をライルは左手で触れた。