柔らかな街中。



楽しそうな笑い声、賑わう道。



「信じられない…これが俺達が戦っている国。」



「ウェンディ、静かにしろ。隠密行動中だぞ。」



真ん丸く瞳を開き、キョロキョロと辺りを見渡すウェンディに対して、注意するライル。



はぁ…先が思いやられる。



ライルはウェンディを見ながら溜息をついた。



二人は敵国の長と和平の話し合いをするために、敵国であるフラーシェ王国に密入国しているのだ。