「…………?」 音なんてひとつもしない、あたしだけの空間に響いたそれはあたしのいつもの場所に居る少年によって発されたみたい。 車椅子に乗って、フェンスを掴み震えてる。 「…………ちくしょ…っ」 少し涙の混じった声が小さく響いた。 今、話し掛けたら八つ当りされそうだし…。放っとこ……。 その隣に仕方なく腰掛ける。 いつもと違う景色が違和感に溢れて、気持ち悪い。 再び、小さなため息を吐いた。 それによって気付いたのか、隣の少年がばっとあたしを見る。