それは目の前の扉を指してか、 それとも あたしの心を指してか。 一瞬戸惑うが、あたしは震える指を押さえて鍵を ――…カシャン 開ける。 ゆっくり開いた扉の向こうには、切なげにだけど優しく微笑んでいる貴方が居た。 あたしが送り続けたトークノートの紙を抱えながら。 「…美音。」 ふるふる、と頭を振り身体を締め付けて震えを押さえる。 崩れ落ちそうになった瞬間、先程まで貴方が抱えていたトークノートの紙が宙を舞う。