「俺も、嫌いだった。嫌い嫌いって思ってると世界は暗く見えるけど、 好き、って思った瞬間から世界は彩り始めんだよ。」 あたしは、ついに子供のように声を上げてしまった。 「……っく……ひっ…」 あたしは、あたしを好きになんかなれないよ。 あたし自身を否定するかのごとく頭を横に激しく振る。 「美音。 開けて?」