「美音ちゃん…」 看護婦さんに優しく肩を擦られる。 「彼は美音ちゃんとちゃんと向き合ってるよ?」 …わかってる 「美音ちゃんも…」 そんなこと 「祐樹くんをちゃんと真っ正面から見てあげなきゃ」 わかってた…― だけど、 「…………っふ…ぅ」 怖いの ぽたぽた、と零れていく涙はまるで今まで張っていたあたしの虚勢心のようで、 向き合ったら 今度は彼に依存してしまう そして今度こそ依存していた人がいなくなってしまったら あたしはどうなるかわからない