「ここは、沙耶香の部屋だったの」 「!」 だからか、この部屋に入った時に感じた僅かな違和感。 生活感はあるのに、時間の流れが止まっているような感覚。 「沙耶香が亡くなった日、そのままなの」 「そうなんですか…」 「なかなか、部屋を整理する勇気がなくて、ね…」 美音のお母さんの目に浮かんだものを俺は見なかった振りをした。 きっと…気付かれたくないだろう。 「やっと、この前整理した時にこれが出てきたの」 机の引き出しの奥からピンクのノートが出てきた。