涙に濡れた瞳を上げて瀬那を見つめると指で涙を掬われた。 「なんか、全国大会の予選なんだ!とか暑苦しく語ってたよ」 ぜ…んこ…く…。 「ねえ、美音。俺はね、あいつのこと大嫌いだよ」 今までの話は何だったのか、と思うほどの話の転換にびっくりする。 「俺の宝物を奪った嫌なヤツだからね」 ──宝物? 「最高に嫌なヤツだ」 瀬那、そんなの、まるで……。 「あいつほど、最高な嫌なヤツいないよ」 大好きだ、って言ってるようなものだよ?