ねえ、祐樹。


今日もあの日みたいに空が青いよ。



「美音ちゃん」


窓から覗く青空に目を奪われて、ぼうっとしていたら看護師さんからついにお咎めの言葉。



「次、先生とのカウンセリングでしょ?始まっちゃうわよ」


誤魔化すように肩をすくめて、笑った。



祐樹の隣を去って1ヶ月半が経つ。


祐樹。

祐樹と別れてまた世界が白黒に見えるようになってしまいました。
だけど、最近やっとモノクロームの世界も少しだけ色がつくようになりました。

あたしも進めてるって証拠かな。


ただ貴方の色は…青は、ずっと貴方と出逢ったあの日の空と同じ鮮やかな色のままです。