風があたしの頬をくすぐって、後ろへと流れていく。



「良い…天気だなー」


見上げた空はどこまでも青くて、輝いている。

ねえ、祐樹。
あなたがいる場所はここじゃないでしょう?

ねえ、祐樹。
祐樹は優しいから嘘をついてくれてるんでしょ?


あなたの翼はもう飛べる準備は出来てるでしょ?



あたしは堕ちてしまったけれど祐樹は、祐樹はまだ飛べるから。

いま、送り出すね。