俺は壁に寄りかかって、ただふたりを見ていた。 「みのん…」 母親が美音の頬にそっと触れた。 「…っごめんなさい、ごめんなさい」 「…母さん」 「私は、……っ。この子に触れる資格さえ、もうないのに!」 「………」 「だって、ねえ…あなた。こんなに優しく美音に触れたことあった?私は美音の笑った顔さえ思い出せないの……っいつも…涙の痕をつけた顔ばかりしか……っ」 美音の母親が崩れ落ちる。 「なのに、狡いでしょう?…この前、この子に拒まれた時……悲しい、だなんて思ったのよ!」