手のひらに刻み込まれた痛々しい爪の痕。どれだけの力で手を握ったのかがわかった。 「美音、何を考えてこんな強く手握ったんだよ?何が……あったんだ」 ここまで強く握るほど 怒ったのか 恐かったのか 悲しかったのか ただ、何かがあったのは容易にわかる。 手を頭に移して、優しく撫でてやった。指の間からこぼれるフワフワの髪の毛。 看護士の人の方を盗み見て、俺たちの方を見ていないことを確認する。