寺院の隅にある墓石の前に大きな花束を持った少女が立っていた。 《お姉ちゃん、久しぶりだね》 お墓には似つかわしくないバラの花束が風に乗ってフワリと踊る。 ねえ、お姉ちゃん。 あたしね、世界にはあたしとお姉ちゃんがいればそれでいい、瀬那が傍にいてくれればいいって思ってた。 だけど、そんな世界に色を着けてくれた人がいました。 次、…次に来るときは彼も連れてきたいな。 ねえ、お姉ちゃん。あたし…… 「……っ…あ…!」 強くなりたいの