《……祐樹》 トークノートに名前が刻まれるたび、跳ねる心臓をどうにかしてほしい。 「ん?」 《……お願い、抱き締めて》 そんなお願いなら 「何度でも」 聞いてやるから。 《強くなる、強くなるから。祐樹に話せて…よかった》 「俺も聞けてよかった」 やっと瀬那の背中が見え始めたぐらいだけど。 《強くなるから、あたし》 君の涙を、これからずっと拭えるように、と願いをこめて美音を再度抱き締め、体温を感じた。