『美音』 瀬那にだけは、謝らなくてはいけなかったわ。 両親は最初から離れていっていたけど、親戚も知り合いも歌えない人形を過去として処理した。 そんななか、ずっとずっとあたしを支えてくれていたんだもの。 重すぎる荷物をひとりで…背負い込んでくれたんだもの。 『……美音』 色を失ったモノクロの世界で瀬那が揺れ動く。 『言わないで……おこう、とも思ったんだけど、さ。沙耶香姉は伝えたかった、だろうなって思うから。』