「祐樹くん?」 ぼう、としていたら隣に美音の世話をよくしている看護士さんが立っていた。 「あら、もう松葉杖だけでも大丈夫になったのね」 にこやかに笑いかけてくれるけど今の俺に笑い返す余裕なんてなかった。 「最近、病室に来てくれないから美音ちゃん寂しがってたわよ」 それがたとえ社交辞令だとしても頬が緩む。 瀬那に言われたあの日から俺は病室に行ってない。 瀬那に、美音に会わせる顔がなかったから。