あれから瀬那は毎日美音に会いに来た。いつも、何か片手に。 「美音」 そう言って机に広げたどこかの街の風景の写真。 瀬那が来ると、すっかり蚊帳の外の俺は一生懸命話に入ろうとする。 …そのたびに、瀬那に睨まれるんだけどな。気にしない。 「なあ、それどこだよ?」 「……イタリア」 美音の前だと俺のこと無下にできねぇしな! 逆に開き直り、それを利用してやることにした。 まあ、美音がいないと 「美音と俺が話してたんだけど。お前とじゃなくて。」 こうなるんだけども。