「は、?ちょ、まっ」


俺が瀬那に詰め寄った瞬間に病室のドアが開いた。



「瀬那くん!久し振りねっ」

「おお!最近見なかった顔だな」

「ご無沙汰してます」



にっこりと笑うその姿にさっきの威圧感なんて皆無だった。


《祐樹?どうしたの》


俺の傍にパタパタと走り寄ってきて、袖を引っ張ってくる。


「いや…なんでも……ね…」


美音の肩越しに瀬那と目が合う。


「!」



あいつは口パクでなにかを伝えてきた。



【わたさない】