「だから、えっと…」


友達だと言うと何だか、ひどく傷付く気がする。言ったのは俺なのに。


「美音が俺以外の男と仲良くすんの、初めてなんだけど」

「あ、まじで?」


自然に緩んでいく頬をおさえる。


「なに、にやけてんの」


冷たい声が響いて、顔をあげると睨んでいる瀬那。


「今から言っとくけど」



かつかつ、と靴音を鳴らしながら俺の前に立つ瀬那に少し威圧感を放つ。



「今までも



これからも



美音を一番に大切にしているのは俺だから。」