「泣きすぎだろー」


あたしの髪に指を絡ませて、抱き締めに応えてくれる。



祐樹、


祐樹、





好きよ。大好き。




大切な人を傷つけたあたしに大切な人を作る資格なんてないから。


ねえ、絶対に伝えないから。
絶対に言わないから。


心の中では思ってもいいですか?
貴方のこと、を、愛してもいいですか。


溢れるこの想いにちゃんと自分で蓋をする、から。


あたしだけの秘密にするから。


「美音」


祐樹を好きで居させてください。