「美…」

《…ありがとう、ありがとう“祐樹”》



そう言って上げた美音の顔には



「………っ!」



最高の笑顔があった。


祐樹、ゆうき、ユウキ


初めて俺の名前がノートに刻まれた。


頬を緩めて最高の笑顔を見せる美音に、初めて名前を呼ばれたという事が俺の心臓を高鳴らせた。


「美、音」

《いつも、あたしばかり呼んで貰ってただけだから。あたしも少しずつ頑張るよ。》


はにかみながらノートで軽く顔を隠す美音に愛しさが溢れる。