地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪

「今日は、何してたの?」
「んーっとね、みんなと屋上で日なたぼっこしてた。」

妖でも日なたぼっこするんだ……

「よかったね」

「うん!!」

抱き着いたままの藍鬼を連れて学校内の見回りをする。

これも仕事の一つ。

あたしが住む町は、大昔から妖怪と呼ばれるものが多かった。

そこでウチの一家、陰陽の力を持つ神崎家が住み何かしらの妖怪が出れば退治するということを始めたらしい。

それは今でも続いていて…
特に町の中で妖怪が出やすいこの学校での、見張りと調伏をあたしは言い付けられてる。


だけど、あまりにも数が多いから無害なものは放っておく。

いつもは気にしてないけどそこら中にいるし、廊下に寝てるのもいる。

極力踏まないようにしてるけど時々、手足を踏んでしまう。

「イダッ」って声を上げるけどいちいち謝ってたらキリないし
それにこの子達は、普通の人間には見えない。

見える人はごくわずか。
だからリアクションをしたら変人になってしまう。