抱きしめる腕を強め、コツン…と額をくっつける。




「…杏。絶対に帰って来るよな…?」




懇願するように、あたしを見る。



クスッと笑い、答えた。



「……Promessa………tornare.(約束します。帰って来ることを……たとえ、命の灯が消えたとしても………)」



笑って答えると


離してくれた。







時計を見ると、4時15分……



「時間だね…」



じいちゃんと理事長の方を向き、少し大きな声で告げる。




「……行って来ます!」




そういうと同時に、


体育館の床に大きな穴が出来た。



妖気の渦がもくもくと出てきている。




もう一度、陸をチラッと見て呼吸を整える。




「…行きますか……!」




小さく呟いて




穴の中に飛び込んだ。