あたしがいるところまで歩いて来る。
「玄一郎…心配はいらん。」
理事長を見る。
「…だか……」
不安だというようにあたしを眺める。
「わしの孫じゃぞ?
おいそれと簡単には、くたばったりはせんよ。
昔から教育してきたのでな?」
ポンポンとあたしの頭を叩く。
あたしの方を向き、目を見て言う。
「杏樹は、わしの孫じゃ。
自分を信じて行って来い。
そして、柚莉ちゃんを早く楽にしてあげなさい。」
髪をグシャグシャにする。
「――……っ…はいっ!」
大きく頷いた。
「…ほれ………」
風呂敷包みを渡された。
「え…?」
「馬鹿モン!
何も持たずに行くのは、不利になるじゃろうが!」
小バカにされて、包みを開ける。

