地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪




あたしがいるところまで歩いて来る。





「玄一郎…心配はいらん。」

理事長を見る。


「…だか……」



不安だというようにあたしを眺める。



「わしの孫じゃぞ?

おいそれと簡単には、くたばったりはせんよ。


昔から教育してきたのでな?」



ポンポンとあたしの頭を叩く。





あたしの方を向き、目を見て言う。



「杏樹は、わしの孫じゃ。

自分を信じて行って来い。

そして、柚莉ちゃんを早く楽にしてあげなさい。」



髪をグシャグシャにする。



「――……っ…はいっ!」

大きく頷いた。





「…ほれ………」



風呂敷包みを渡された。



「え…?」

「馬鹿モン!
何も持たずに行くのは、不利になるじゃろうが!」




小バカにされて、包みを開ける。