地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪



「だが、守れなかったのが事実だろう!」


「…しかしっ…!」


陸が理事長に向かって続きを言おうとする。





「陸っ…!

あたしが悪いのっ!

守れなかったあたしが!」


制服を引っ張り、止めた。




「…この方は、



柚莉のお祖父様なの。



あたしを責めて当然なんだよ…」



陸を見上げて、言った。



目を見開く陸



初めて知ったよね?

学園内でも、数人しか知らないことだから………



柚莉は、大企業の一人娘でもある。



誘拐とかにも遇いやすい存在だから、秘密だったんだ。









立ち上がり、理事長と向き合う。




「……柚莉を助けてくれるんだろうな?」


静かな…けれど、強い声で聞かれた。





目をつむり、心を落ち着かせた。



ゆっくりと目を開ける。