それを受け流し、体育館の中へ入っていく。 走ることもなく、ゆっくりと呼吸を整えながら歩く。 自分のクラスには並ばずに 体育館の中心…… 宮下の真っ正面に向かって。 ようやく、たどり着いた。 周りは、あたしがクラスに並ばないので怒ったり注意してる。 ガヤガヤうるさくなってきた。 中には、あたしに対しての中傷や罵声など……様々だ。 そんな中でも あたしが見ているのは、 ただ一人 宮下 海人 いや……… クロノスだけだ。 静かな声で奴に言った。 「………………柚莉を返して。」