泣いてる時は黙って頭を撫でてくれて勇気づけてくれた。 あの温かい腕の中では、普通の女子高生になれた。 家、仕事、学校……… 全て取っ払って……… なのに、自分から断ち切ったんだ。 もう…嫌だった。限界だったんだ。 なんであの人の隣にはあたしじゃない人がいるの? あたしでも良いでしょ? そんな醜い感情が胸の中を占めていた。 自分がこんなに醜いって思うと、嫌で嫌で…… 体の中を暴れ回る呪詛と同じくらい、胸が痛い。 ヒヤ……… 首につけているものを見る。 「ネックレス…返さなきゃ……」