関わったことは無い人だけど、柚莉を心配している…… それだけで“ごめんなさい”と言いたくなる。 唇を噛みながら、自分の席に着いた。 4限目が始まる。 古典の授業なんだけど、今のあたしには真面目に受ける体力がない。 腕を枕にして机に伏せる。 先生の漢文を読む声を聞きながら、これからのことを考える。 どうしよう…… まず、敵の正体でさえ分かってない。 手掛かりは、黒い翼を持つ男達。 そんな化け物いるのかな……? 家にある資料で調べてみても、該当する妖怪は見つからない。