地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪


嫌な予感がした。



体中に鳥肌が立つ。




通話ボタンを押し、電話に出る。


「…もしもし…じいちゃん?」



恐る恐る喋る。


《杏樹か?
今すぐ柚莉ちゃんの家に来なさい。》



「どうして…?」








あたしは頭から、水をかけられたような状態になった。




「……ウソっ!?」




すぐに教室を飛び出し、

柚莉の家に向かう。



HRが始まる直前なので生徒には会わなかった。
















「…っ…柚莉っ!?」



全力で走り、家に着き柚莉の部屋まで来た。





「―…っ!!!!」



思わず口を覆った。




部屋の中は障気の渦が巻いている。



真っ黒いモヤが充満し、力を奪われるように感じた。