嫌な予感がした。
体中に鳥肌が立つ。
通話ボタンを押し、電話に出る。
「…もしもし…じいちゃん?」
恐る恐る喋る。
《杏樹か?
今すぐ柚莉ちゃんの家に来なさい。》
「どうして…?」
あたしは頭から、水をかけられたような状態になった。
「……ウソっ!?」
すぐに教室を飛び出し、
柚莉の家に向かう。
HRが始まる直前なので生徒には会わなかった。
「…っ…柚莉っ!?」
全力で走り、家に着き柚莉の部屋まで来た。
「―…っ!!!!」
思わず口を覆った。
部屋の中は障気の渦が巻いている。
真っ黒いモヤが充満し、力を奪われるように感じた。

