地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪

“下ごしらえ”…?




頭の中をこの言葉がグルグルとまわる。




間近で見た相手の顔は、何処かで見たことがあるように感じた。


だけど思い出せない


『さぁ……準備を始めよう』



私より遥かに身長が高い“彼”は手を挙げる。



『…〜〜〜〜〜〜〜』


意味のわからない言葉を喋り、掴んでいる私の腕を触った。



「いっイヤッ…!」



恐ろしくなり腕を引っ込めようとした。



「…っ……!!」



爪を食い込ませて逃げられない。




腕を掴んだまま

呪文みたいなのを唱える。




ドクンっ…!!



「かはっ……!」



心臓が跳ね上がり、呼吸が出来ない。



体から真っ黒いモヤが溢れてくる。